★軟膏はあくまで補助的。
◎軟膏はたくさんの種類があり、人によって使い方が異なります。理論的に自分の使い方を作っておく事が大事です。ただ創処置の場合、最も大事なのは外科的処置で、軟膏で治すとは考えません。
■抗菌薬作用
●バラマイシン軟膏
・抗菌薬で、汎用性が高いです。
・ガーゼに塗りやすく、広範な病変によく使います。
●ゲンタシン軟膏
・これも使いやすく、外傷によく処方します。
・緑膿菌に効くので、疑われたらこれに。
・傷に直接塗りやすいです。
●フシジンレオ軟膏
・MRSAに効きます。
・よくバラマイシン軟膏と混合して使います。
●カデックス軟膏、イソジンシュガーパスタ
・抗菌薬というよりは、殺菌剤です。
・殺菌効果は極めて高いですが、組織の創傷治癒を遅延します。
・糖尿病の足壊疽などに使います。
■抗炎症作用
●プロスタグランディン軟膏
・血流改善作用が期待されるので、血流が悪そうな創に出します。
・そのままだと塗布しにくいので、よくバラマイシン軟膏と混ぜます。
●デルモベート軟膏
・ステロイドのストロンゲスト
・熱傷の急性期(1-2日)に使い、疼痛を和らげたりします。
●アンテベート軟膏
・ステロイドのベリーストロング
・皮膚科でよく処方されます。痒みの強いときに。
●リンデロンV軟膏
・ステロイドのストロング
・ちょっとした炎症に。
●リンデロンVG軟膏
・Gはゲンタシンです。
・ちょっとした炎症+感染が疑われる時に使います。
●キンダベート軟膏
・ステロイドのミディアム
・こどものかぶれなど。
●ケナログ口腔内軟膏
・口腔内に非常に塗布性の高いステロイドです。
・口内炎に非常に有用です。
●アズノール軟膏
・ステロイドでありません。
・気持ち程度の抗炎症作用です。
■その他
●サトウザルベ、亜鉛華単軟膏
・皮膚を乾燥化させます。
・表皮びらんにつかいます。特に、高齢者の下痢の臀部に頻用します。
●ヒルドイド軟膏
・皮膚の保湿剤です。
・美容目的、採皮後に用います。特に分層植皮で脂腺がない場合、皮膚がカサカサになるので、ずっと塗り続けます。
・ワセリンも同様の保湿剤ですが、ヒルドイドの方が良い、とよく聞きます。一時、医者が自分用に処方しまくって問題になっていました。
参照 形成Dr.S.