循環器

収縮期雑音の聴診:大動脈弁狭窄症と僧帽弁逆流症の鑑別

★音質ではなかなか区別できない!

◎臨床的に重要な区別ですが、それなりにトレーニングを積まないと難しいです。

●AS(大動脈弁狭窄症)の収縮期雑音

最強点は胸骨右縁とあるが,実際は様々です。

・前胸部に広範囲な心雑音が聴かれます

・最強点を同定できないこともあります

②Ⅱ音が減弱します

*参照こちら

③頸動脈の触診が使える

細かい振戦を伴い,遅く触れる(かなり特異的な所見)

個人的に好きな所見です

●MR(僧帽弁閉鎖不全症)の収縮機雑音

①間違いなく心尖部で強く聞こえます

・ASと比べ,他の部位では聞こえても小さいです。

MR前尖逸脱の場合、背中に放散します!

⇒なんと、背骨で雑音が聞こえます

⇒なんとなんと、高度の逆流の場合、頭でも聞こえます:top of the head murmur

僧帽弁逸脱でないと聞こえません(後尖逸脱はまれです)

■期外収縮,心房細動(AF)による心拍変動の影響

ASとMSへの影響が異なります。
ASだと雑音増強,MRだと変化なし!

<機序>
・期外収縮時,収縮が不十分です
 ⇒次回の心室収縮時,心室容量が増加
 ⇒拍出量増加
  =拍出に関わるASでは雑音が増加します

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