★低K血症による.
◎臨床では気にすることはほとんどないですが、肝性脳症をみたら思い出したいです。
参考図書、名著です。
■ループ利尿薬の機序
・Na/K/Cl再吸収阻害
⇒低K血症
⇒H+が細胞内へ移動,K+が細胞外へ移動
⇒細胞内アシドーシス(血管内はアルカローシス)
⇒尿細管細胞からH+を尿管腔へ排泄したくなります
⇒この機序は以下の2つです。
①NH4+を排泄
・近位尿細管:Na+/NH4+交換輸送体
⇒NH4+が直接出ていきます
・集合管:尿管腔のH+は吸収される
⇒脂溶性のNH3が細胞から尿管腔へ排泄される
⇒NH3とH+が結合
⇒NH4+となり,脂溶性じゃなくなる
⇒細胞に吸収されません。
②滴定酸を排泄
・集合管:管腔内のH2PO4(2-)に,細胞から分泌されたH+が結合
⇒H2PO4(-)として排泄
⇒これによってもH+排泄されるが,その量は尿中に排泄されるリン酸量に依存する
⇒一定以上増えません。
■アンモニアが上がるまで
●上記の2つの内、①が寄与します
....尿細管細胞が,主にグルタミンからアンモニア産生しています
⇒アンモニアは間腔にも血中にも移行
⇒これは「アシドーシス⇒細胞内もアシドーシス」の時に都合が良い!
⇒今は「低K⇒細胞内アシドーシス」なので,細胞外については都合が悪い
⇒血中アンモニア↑
参照 体液異常と腎臓の病態生理,UpToDate