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ステロイド投与によって好中球増加するのに易感染性となる機序
2018/12/24
★ステロイドによる白血球の遊走障害が重要. 改訂第3版ステロイドの選び方・使い方ハンドブック ◎AIDSの反対なので一見矛盾してそうですが、違う機序です。 ■ステロイドの細胞内への作用・白血球,血管内皮細胞の接着因子(インテグリンなど)の発現を抑制します⇒白血球が血管外へ行けない!⇒感染,損傷の現場 ...
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動悸=頻脈か?
2018/12/20
★色んな原因で動悸になる. ◎違います!しかも,不整脈の多くは動悸を伴わないです。 ■動悸の機序・動悸=心臓の鼓動を自覚すること ①心拍出量↑・タバコ,カフェイン,薬剤,運動,ストレス,交感神経↑,貧血・おそらく除脈によるものも (1回拍出量が上昇するからです)②頻脈③左室拡張による,前胸部の運動↑ ...
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大動脈弁狭窄症-狭窄するとなぜ圧格差が生じるか
2018/12/17
★乱流が起き,熱エネルギーとして喪失されるため. ◎よく考えると少し複雑です。流体力学です。 ●「左室➤弁➤大動脈」としたとき,大動脈弁狭窄症(AS)では弁の所が狭いです。⇒基本的にはエネルギー保存則が成り立つはずです。 ※流体ではベルヌーイの定理という ●実際は,狭い所を通過したとき乱流が起きます ...
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Marfan症候群⇒嚢胞性中膜壊死
2018/12/13
★遺伝子異常が重要だが,研究段階. ◎非常にマニアックですが、気になりました。 ■嚢胞性中膜壊死とは・病理の名前です。⇒嚢胞性とあるが,実際に嚢胞はなく,それっぽく見えることから名づけられました。・近位の動脈が侵されることが特徴です. …理由は不明. ■マルファン症候群は、フィブリン形成の異常が原因 ...
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なぜ女性でも鼠径ヘルニアが起きるか.
2018/12/10
★精巣下降と鼠径管形成は別の事なので,女性でも鼠径ヘルニアは起こる. ◎解剖の話です。 ■発生の流れ・精巣導帯を先頭に精巣が下降⇒精巣導帯の経路に従い鞘状突起が発生,鼠径管を形成⇒鼠径管内を通り,精巣が陰嚢内まで下降 ■精巣の下降・精巣は尿生殖間膜により,後腹壁に付着しています⇒付着した膜が帯状にな ...
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いつ蘇生を中止するか:ACLSアルゴリズムの背景
2018/12/6
★倫理的問題だが,いくらかの経験則はある. ◎現場ではなんとなく決まることが多い印象ですが、ACLS-EPという講習のテキストに書かれています。ちなみにACLS-EPとは、ACLSの更新用の1日講習です。非常に勉強になります。 ACLS EPマニュアル・リソーステキスト ■心静止(Asystole) ...
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慢性腎臓病⇒消化管出血 ★腎不全と血小板
2018/12/3
★血管異型性(angiodysplasia)による(とされている)! ◎腎臓が悪いと色々な臓器に影響します。消化管出血も多くなります。血管異形成が一つの説明しうる機序と考えられているのですが、果たして因果関係といえるのか? ■血管異型性とは・平滑筋収縮+血管内圧↑⇒粘膜,粘膜下で静脈血排泄障害⇒粘膜 ...
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SLEで蝶形紅斑になる機序
2018/11/30
★日焼け。 ◎全身性エリテマトーデスで蝶形紅斑は有名な兆候ですが、その機序はあまり知られていません。 ■紫外線の影響・DNA障害を、以下の機序で来します。①DNAに対する抗体産生,複合体形成,補体活性…と通常の経過②ケラチノサイト活性化 ⇒抗RNP,Ro,La抗体と結合 ⇒IL-1放出③膜の構造が変 ...
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細胞内液の補充になぜ5%ブドウ糖輸液が用いられるか
2018/11/26
★非常に基本的な内容の確認です。 ◎実臨床では細胞内液の補充、という考え方はあまりしません。高ナトリウム血症のときなど「血液を薄くしたい時」、心不全の時など細胞外液量を増やしたくない時(でも他の点滴が必要なので点滴ラインをつまらせないため)にブドウ糖液を使います(自分は)。 ●5%ブドウ糖輸液⇒細胞 ...
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大量投与は生理食塩水かリンゲル液か:あまり知られていない生理食塩水の特徴
2018/11/22
★基本リンゲル. ◎生理食塩水は多量投与すると代謝性アシドーシスを起こします。それを回避するため、開発されたのがリンゲル液です。 ■生理食塩水●0.9%NaClのことです。これは以下の特徴があります。 ①血漿より高張です(浸透圧:290 vs. 308) ⇒1000ml投与で1100ml分 ...