救急・外傷 薬剤

急性アルコール中毒に補液は必要か

★ほぼ必要ない。

■アルコールの代謝
・胃から70%、十二指腸から25%吸収する
⇒胃が空の場合、摂取から30分~90分でピークとなる
・肝細胞のサイトゾルでエタノール→アセトアルデヒド
※代謝速度は、
  ・普通の人=0.15~0.2mg/mL/h
  ・慢性アルコール中毒者:0.25~0.35mg/mL/h

■アルコール血中濃度

血中濃度(mg/mL) 分類 症状
0.3~0.5 爽快期 酒気帯び運転の適用
0.5~1.5 弱度・軽度酩酊 抑制とれる
1.5~2.5 中等度酩酊 麻痺症状加わる=千鳥足
2.5~3.5 強度酩酊 悪心嘔吐、誤嚥
3.5~ 泥酔・昏睡 意識消失、呼吸抑制

■治療
●基本的には経過観察
⇒脱水、低血圧、低栄養→補液
補液して薄める効果はほとんどない
 …代謝を待つ
・意識障害の他の原因を常に念頭に置く

●重症の場合
・アルコール中毒+昏睡の場合、必ずチアミン(vit B1)投与
活性炭、胃洗浄は効果なし
…エタノールはすぐ吸収されるため
・呼吸状態を頻回に確認し、必要なら挿管

参照 UpToDate

-救急・外傷, 薬剤