★ステロイドによる白血球の遊走障害が重要.
◎AIDSの反対なので一見矛盾してそうですが、違う機序です。
■ステロイドの細胞内への作用
・白血球,血管内皮細胞の接着因子(インテグリンなど)の発現を抑制します
⇒白血球が血管外へ行けない!
⇒感染,損傷の現場へ行けない(遊走の抑制)
⇒炎症が起きない,易感染性
・より詳細は、
核内のglucocorticoid responsive elements (GRE) へ結合
⇒炎症性サイトカインの転写を抑制
=産生抑制
⇒炎症性サイトカインは接着因子の発現をup regulate
⇒接着↓
■免疫系への作用
・好中球を骨髄から動員する+アポトーシスを抑制
⇒好中球増多
※好中球の機能にはあまり影響しないのです
=易感染性は,遊走抑制の要素が大きいです。
他、
・樹状細胞のアポトーシスを誘導
・T細胞のアポトーシスを誘導+分化を障害(IL-2シグナリングを抑制)
⇒獲得免疫抑制
※B細胞への影響は少ない
●ステロイドの易感染性の効果はdose-dependentです。
●ステロイド長期投与により,リスクは上昇します。
●原疾患や個人(年齢など)の影響が大きいです。
●ステロイドを隔日投与とすることで,リスクを減らせます。
参照 UpToDate