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ビタミンB1欠乏で神経障害、心不全(脚気)、Wernicke脳症となる機序
2021/9/8
★クエン酸回路関連で神経障害、血管拡張により心不全をきたす。ビタミンB1欠乏による様々な疾患。 具体的には神経障害、ウェルニッケ脳症、心不全、代謝性アシドーシスなどがあります。 現象としては有名ですが、その機序は少し複雑です。 理解には、生化学の理解が必要です。 ■「ビタミンB1欠乏→代謝性アシドー ...
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発熱時クーリング,は実際どうなのか。解熱薬の作用機序。
2019/8/28
★推奨される. ◎ルーチンで出しがちな指示についての考察です。 ■解熱の適応・基本的に熱を下げるのに問題はありません ⇒熱自体が感染からの回復・免疫力向上に効果がある,という研究はないのです! +末梢のPGE2産生は免疫低下作用有り(NSAIDsはこれを抑制できるため、よい) ・熱を下げると,他の症 ...
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ステロイドの違い,内服・静注ステロイドの使い分け
2021/5/26
★コルチゾール作用,アルドステロン作用の力価が違う. ◎臨床用のメモです。 ■ステロイドの種類・特徴 一般名 商品名 コルチゾール作用 アルドステロン作用 半減期 ヒドロコルチゾン類 (コルチゾール) ソル・コーテフ 1 1 1.2h プレドニゾロン類 プレドニン 4 0.8 2.5h ...
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インスリンスライディングスケールの問題点
2022/1/3
★インスリンスライディングスケールとは血糖値に応じてインスリン量を選ぶ方式。◎指示にはいっているインスリンスライディングスケールについて知っておきましょう。投与量を決めるスケールの選び方が大きな問題点です。 インスリンスライディングスケールの問題点 ●測った時の血糖に応じて、超速効型インスリンを投与 ...
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インスリン療法:スライディングの代わりに用いるべき方法
2019/7/4
★基礎インスリンを付加するのが前提。◎スライディングは楽なので指示してしまいますが、benefitは証明されていません。そのかわりにするべきインスリン指示です。 ■食事摂取安定⇒インスリン強化療法●各食前に超速効型インスリン(ノボラピッドかヒューマログ) +眠前か朝に持効型インスリン(ラン ...
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G6PD欠損⇒酸性薬物で溶血、の機序
2019/3/4
★酸性薬物での溶血はG6PD欠損に特徴的! ◎生化学的に説明可能な内容です。 ■G6PD活性低下⇒NADPH(還元剤)産生低下⇒①細胞内フリーラジカル・過酸化物を解毒する機能低下 ②蛋白のSH基を還元状態に保てない ⇒SH基酸化により蛋白変性 ⇒不溶性の塊(ハインツ小体)となる ⇒細胞膜に付着 ...
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TGとLDLの生理的な違い ★コレステロールの代謝と関連疾患まとめ
2019/2/4
★TGは,LDLなどのリポ蛋白の構成成分. ◎マーカーとして知らない人はいませんが、生理的な役割について知っている人は少ないです。 イラストレイテッド生化学 原書6版 (リッピンコットシリーズ) ここまで突き詰めて勉強できるのは、若い時だけです。 ■用語 ・トリグリセリド(TG)=トリアシルグリセロ ...
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嚢胞性線維症で輸精管が消失する機序
2019/1/24
★分泌液による閉塞! ◎マニアックですが、USMLEで出ます。これでいろいろな事が説明されます。目からうろこ。 First Aid for the USMLE Step 1 2019, Twenty-ninth edition ■嚢胞性線維症・CFTR:cAMP調節性Clチャネルの一部として,Cl・ ...
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Refeeding syndromeの病態と合併症
2019/1/7
★リンの欠乏が主体. ◎リンの重要性を感じましょう。■Refeeding syndromeの病態・絶食状態は、体内のリン(P)が欠乏しています・食事開始=グルコース摂取⇒インスリン分泌⇒①細胞内へP,K,Mgが移動 ⇒これにより電解質異常 ②細胞で足りていないATPなどを産生(Pを消費) ⇒更に ...
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発熱によりなぜ頻脈となるか
2018/11/19
★意外に知らない. Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology) Guytonが答えてくれました。 ・発熱⇒洞結節の代謝↑⇒興奮性↑⇒心拍数↑ ※発熱⇒脱水⇒心拍数↑の影響もありうるが,メイ ...